motoGP 第5戦フランス [**Valentino ROSSI]
降りだした雨が、強さを増す。すべてを変えてしまう雨が、どんよりと曇った空から落ちてきた。我慢しきれずに涙を零す空に、ライダーをなすすべを持たない。
フリープラクティスの様子は、さほど悪いものではなかったと思う。が、予選でタイムをなかなか上げられず、しかたなく納得したような4番グリッドで、レース当日を迎えた。
最近はウオームアップのタイムも良くない。何となく表情も冴えないように思うのは、気のせいなのか。明るい太陽の笑顔は、曇った灰色の空が隠してしまったようだった。
それでもどこか半分は。『ヴァレのことだから。何かをきっと考えてるはず』と、思っていた。そうでなければヴァレンティーノ・ロッシじゃない。
motoGP 第4戦中国 [**Valentino ROSSI]
ミスをすら帳消しにするだろう最高速は、コーナリングに多少の未熟があったとしても、必ずやってくるストレートで不安を消化させる。そのことがライダーに余裕を与え、レースを成功させ、自信を生み出す。自信は力になる。彼の成長を促す。
motoGP 第3戦トルコ [**Valentino ROSSI]
スタートが近づくと、マシンはピットを出てコースを走りだす。グルリとサーキットを1周し、グリッドにつく。
スタンドの前にカラフルな傘の花が咲き、チームシャツを着たスタッフや、レースクイーンがさらなる華を添え、ライダーとマシンを彩る。
人々の間をカメラクルーは歩いていく。ライダーのそばに寄り、彼らのスタート間近の表情を撮る。それまで真剣な顔をして、チームスタッフと話していた彼らも、カメラに気付くと笑顔を見せてくれる。手を振ってくれる。何か囁いてもくれる。
ヴァレンティーノ・ロッシというライダーは、世界中に多くのファンを持つ。スタンドを黄色く染めるロッシ応援団は、彼の姿を見かけるや、手に持ったイエローのタオルやら旗やらキャップやらを、やっぱり黄色のTシャツやタンクトップや何やらを着て、ワサワサと振る。
そんな彼らを見上げて、ヴァレンティーノはヒラヒラとその手を振り、笑う。
いいなあ、と思う。私もそのスタンドにいられたらいいなあ、といつも思う。レース前のひととき。どんな結果が待っているか知らず、期待し、ワクワクし、ドキドキして、少し不安もありながら、でもきっと大丈夫、で締めくくる。
motoGP 第1戦カタール [**Valentino ROSSI]
250ccクラスを圧倒し、満を持してmotoGPクラスにステップアップしたダニー。当然のようにHONDAワークスチームに迎えられ、エースのニッキーより早く、表彰台の一番高いところに立った。
同じ年、250ccでダニーとしのぎを削ったケイシーは、彼を追うようにmotoGP入りを果たす。まだ幼ささえ感じる表情の中で、勝気な瞳がキラキラ光る。
その瞳から感じる想像のまま、彼のライディングは強気なもので、それがうまくハマればポールポジションからの独走もありえたけれど、若さゆえなのか、彼の持つ才能と性格なのか、ぎこちなさの方が多く見られ、いつ転倒、コースアウトするかと思う不安は拭いきれなかった。
Propecia Rally New Zealand [**Valentino ROSSI]
残すところあと2戦となった世界ラリー選手権(WRC)。プライベーターでヴァレが参加すると知り、いつにも増して楽しみにしていたニュージーランド。ドライヴァーズポイントでは、勝ちまくったセバスチャン・ローブがケガのため途中リタイアにもかかわらず、さっさと連覇を飾ってしまったけれど、マニファクチュアポイントでは、そのローブ不在の後、フォードのマーカス・グロンホルムとミッコ・ヒルボネンの活躍で、まだまだわからないことに!
motoGP 第16戦ポルトガル [**Valentino ROSSI]
エストリルで
表彰台のトップじゃないなんて―
ひとつ下の段で
トロフィーを抱えて
嬉しそうに笑う
それでも
内心はものすごく悔しかったはず
どんなことがあっても
それは自分自身に
ライヴァルの彼らに
何が起こったとしても
勝たなくちゃならないレースだったと思うから