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メイショウサムソン [MY SWEET HORSES]

 父オペラハウス、母の父にダンシングブレーヴ。オペラハウスの父はSadler's Wellsで、一見地味にも見える戦績の彼だけど、流れている血はヨーロッパの一流。

 

 夏の小倉でデビューした彼は、狙いうちする1800メートル戦を3度目で初勝利。新馬戦2着に敗れた相手は、後に弥生賞でアドマイヤムーンの2着グロリアスウィーク。彼も、どこに出てきても人気にならなかったけれど、逆になんだかそれが妙に、気になる存在に押し上げていたような気がする。
 骨折で春は全休。秋も…厳しいのかな。スペシャルウィーク産駒は、しっかり強い子が多いように思うから、焦らずしっかり治して、また元気に走る彼に会いたいと思う。

 小倉で未勝利を勝ち上がった後、阪神に戻ってオープン特別の野路菊Sに出走。ここが今までで唯一のマイル戦。1番人気にこたえて快勝。同厩舎のエース、マルカシェンクがゆったりしたローテの“エリートコース”を歩むのに対し、メイショウサムソンは皐月賞までが10戦目という働きぶり。 
 萩Sでフサイチリシャールの4着に敗れたのが、初めての馬券対象外(現在まで、この1度のみ)。3馬身差2着にドリームパスポートが入っているが、この子もまた地味ながら堅実な成績。皐月賞まで8戦して2勝(うち1勝はGIIIきさらぎ賞)、2着4回、3着2回。すべてで馬券になっているのだ。
 重賞ウイナーでありながら、トライアルで3着に入っている存在でありながら、直前の乗り替わりでの人気薄。あまりにも軽視されすぎの感。もったいない。

 

 誰が言い出したのかは知らないけれど、『同厩舎2頭出し(今回、松田博厩舎は3頭出し)は、人気薄』の格言通り。3頭のうち最も人気の低かったドリームパスポートが、2着を射止めた。アドマイヤムーンは当然のこととしても、キャプテンベガは、まだまだ頼りなさの方が勝っていたと思う。
 ―すばらしい血族。想いは大きくふくらむけれど…(いや、私、我が子なんですよ!!)
 前走の若葉S。勝っていてくれれば…全然違っていただろうな。

 

 

 出世レース、京都2歳Sを勝ち、3戦3勝と負けナシのエース、マルカシェンクが骨折し、戦線を離脱。エルコンドルパサー産駒で母の父がサンデーサイレンス、という華やかな血統馬イースターも、上々のスタートを切ったものの、3歳重賞では成績が伸び悩む。

 

 注目度では、いつだって彼らの影に隠れていた。“ローカル”と呼ばれる開催場で、堅実に走っていた。華やかなスポットライトは、なかなか回ってこなかった。
 河内さん(現調教師)にかわいがられ、豊さんは、すぐ下の弟弟子だった。後輩の面倒見が良く、みんなに慕われていた。初騎乗、初勝利の嬉しいスタートだったが、成績は多少の上下はあっても、ほぼ横ばいだった。乗り鞍も変わらなかった。
 “変わらない”中で、“変わらずに”一生懸命だった石橋騎手のこれまでが、少しずつ形になって、現実となってきていた。98年のウインターS(GII)をマチカネワラウカドで制してから途絶えていた重賞勝ち。今年1月のシンザン記念を、もう1頭のお手馬だったゴウゴウキリシマでV。


 昨年暮れ、距離もあったとは思うけれど、ローカルの中京2歳Sを締めくくりに選んだメイショウサムソン。人気はトップオブツヨシに譲ったものの、勝ちは譲らず、年明けの重賞きさらぎ賞へ向かった。

 1番人気に推されたが、京都2歳Sでマルカシェンクの2着だったドリームパスポートに破れた。その後、弥生賞は使わず、スプリングSに出走。GI馬となったフサイチリシャールと3度目の対戦。過去2戦とも後塵を拝している。
 人気も、前走・きさらぎ賞の勝ち馬ドリームパスポート、500万特別・セントポーリア賞を勝って2戦2勝のトーホウアランに続く4番人気。

 

 

 けれど―
 今度はフサイチリシャールに負けなかった。並んで追い比べになった。ゴール前は叩き合いだ。後ろから飛んでくるドリームパスポートの脚音が聞こえていただろうか。2頭を競り落として、クビ、ハナ差を制したのは、メイショウサムソンと石橋騎手だった。

 

 

 嬉しかった。本当に素直に。よかったね!!と、心の底から思った。
 同じ気持ちをもう一度。さらに大きく、華やかな舞台で。
 泣けるほど、本当に。とてもとてもいいレースだった。

 豊さんフリークの私としては、どこかしら悔しく思うのが普通だけど。
 今度ばかりは本当に。全然まったくウソじゃなく。
 『おめでとう!!!』と思った。よく頑張ったね。すばらしかったよ、と。


 

 3冠は、この1冠・皐月賞を制した存在にしか挑戦できない。
 メイショウサムソンだけが、次へのステップに“2冠目”を賭ける。
 父オペラハウスは、テイエムオペラオーと同じだ。“3強”と呼ばれたナリタトップロードとアドマイヤベガの3頭で、1冠ずつを分け合った世代。“2冠目”に挑んだテイエムオペラオーは、3番人気3着だったダービー。
 母の父ダンシングブレーヴが、クラシックディスタンスでさらなる輝きを放つはず!


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コメント 4

メイショウサムソンの、重厚な配合ながら2歳戦から活躍できるのは、
おそらく早熟のサンプリンスの血のエッセンスだと思います。
調子のよさと器用さがもたらした勝利かな。
ダービーはまた違ったプレッシャーがかかるけど、むしろそれを楽しんでもらいたいですね。
キャプテンベガは実際に見た印象ではまだ線の細さばかりが目立ったかな!?
よくなるのは秋から来年と見ました。
ここで無理しないで、成長を促すのもまた競馬だと思いますよ。

10数年前、オペラハウスは見学できたけど、
ダンシングブレーヴは病気で見学できなかったのが、今となっては悔いが残りますな。
鬼脚駆使して差しきった凱旋門賞は、何度見てもしびれます。
by (2006-04-18 00:11) 

柊なお

 放蕩息子さん、こんばんは~ッ!!!
 素敵な週末だったですね♪ マリーンズ連勝、皐月賞ゲット!
 いやー、ホントにおめでとうございますッ
 メイショウサムソンは、絶対忘れちゃならんだろう、と思っていました。
 オペラハウス産駒は、遅咲きというか、時間がかかる子が多い中で、夏からコンスタントに成績を出していたのは、サンプリンスなのですか。そうかぁ。何なのかな?って思ったのですけれど。
 そうやって、配合の妙が絶好の出方をするのが、サラブレッドを見る面白さのひとつですよね~。

 キャプテンベガは、本当にまだまだですよね。フワフワした感じ、抜けないし、兄たちのような、芯の通った感じは、見られないですもん。少しずつ、少しずつ良くなってきているのが見えるので、過度の期待を抱かず、ゆっくりいってほしいです。
 ダンシングブレーヴ、すごい好きなんですよー。産駒も好きな子が、たくさんいます(ジョウテンブレーヴとか)
 Sadler's Wellsも、ソソりますね~。ダンシングブレーヴ牝馬は、いい子が多いので、これから母父、めっちゃ楽しみvvv
by 柊なお (2006-04-18 00:58) 

サドラーズの写真が掲載されてたサイトを見つけたんですが、
久々に写真で感銘を受けましたよ。
まぁここならこんな写真もありかなぁと。

リンク貼っておきますけど、見たことあるかな!?

http://www.coolmore.com/Home.asp
by (2006-04-18 13:57) 

柊なお

 放蕩息子さん、こんばんは♪
 クールモアスタッドですねーッ!!! 種牡馬ページには、ゴージャスな名前がズラリ。改めて、すごさを実感です。アメリカにもズラリ。
 見たことなかったです<サイト
 欧州の各競馬場、ニュースサイトはちょこちょこと見ていたのですが、生産者のページ、というのは盲点だったですねぇ。気がつかなかったなー。
 ウットリする名前に、写真がたくさんあって、楽しいページですね!!
 また見に行こうと思います~。ありがとうございますッ!!
by 柊なお (2006-04-19 00:04) 

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