ヴァレのいないmotoGPを今と同じ情熱で見ることができるか [**Valentino ROSSI]
7月1、2日にミザーノで行われたYAMAHA DAYに参加したヴァレ。どういう流れでそんな言葉が出てきたのか。インタビューの模様を詳しく説明するテキストも、知ることのできる映像もなく、ただ彼の言ったらしき言葉だけがウェブ上に公開されている。
31か32歳で引退する
「2008年までヤマハと契約しているからね。その後はまた考えるよ」
明言できるのはここまで―以前はそうだったろう。
「僕も(いつかは)辞めるときがくる。レースができるのは…31か32歳までだろう。そこが僕たちの限界だと思うんだ。もちろんその後、また新しい挑戦が必要になると思うけど。あ、今は全然モチベーション高いから(motoGPについては大丈夫!)」
そんなふうに。サラリと言って、いつもの笑顔を見せたんじゃないかと思う。
カメラに手を振って、『じゃあまたね』“すぐに会えるよ”と、歩きだしたような気がする。
2005年、ヴァレの相手を誰もしてくれなかった。彼はただ無事にサーキットを走り終えることさえできれば、トップでチェッカーを受けていた。順風満帆、誰もがうらやむ結果を積み重ね、何もかも彼はその手に納めていった。
そのことも理由のひとつだったろうけれど。彼はオートバイ以外で、新たな刺激を探そうとした。F-1、WRCと四輪モータースポーツへの転向を、賑やかに噂された。
私はヴァレンティーノ・ロッシというアスリートをとても好きだから。彼が選ぶ何もかもを、受け止めることができると思う。オートバイに乗る、彼の背中を最も愛しているとしても。
真っ赤なマシンに乗る彼や、林の中や雪道を疾走する彼を見ることも、たぶんきっと大好きになるだろう。
そんなふうに思い、WRCでインプレッサに乗るヴァレをうっとりしながら見守る様子を想像したりした。「ラリーに来てくれるといいな」と、半ば本気で思ったりもした。
けれどそれはどこかで―
「ヴァレは絶対オートバイを降りない」と信じていたからだと思う。
31か32歳までに
オートバイを降りる、と言う。28歳の彼は2011年の2月に32歳になる。
あとほんの数年先のことだ。
その時、自分はどうしているんだろう。想像がつかない。けれど、ヴァレのいないmotoGPを、どんなふうに観るのか少し考えてみた。
考えただけで、なんだか悲しくなる。
誰が勝つんだろう。ヴァレのいないサーキットで。
もちろん、彼がいるサーキットでも、誰が勝つかなんてわからない。
これからもっと速いマシンとライダーが出てくるかもしれない。
勝てなくて苦しむ、ヴァレを観るのがつらくなるかもしれない。
それでも―ヴァレなら何とかしてくれる
そう思う。何とかしよう、とする彼の、背中を愛しているのだ。
マシンの不調に、天を仰ぐ。致命的な差を最後は5ポイントまで詰めてみせたヴァレ。転倒したマシンに駆け寄り、再び走りだす。絶望的な距離を、少しでも縮めようと走る。何があっても、最後まで絶対に諦めない。トップを独走する彼より、そうして走る彼の背中をとてもとても好きなのだ、と改めて感じた。
そんなひとは、ほかにいない。ヴァレにしかできないことは、たぶんそういうことなんだろう、と思った。
彼の2007年はまだまだ続き、来シーズンも彼はヤマハで走る。
その少し先のことを、今から考えてブルーになるより、今週末のザクセンリンクで彼がどんなレースを見せてくれるのかを考えればいい。
“がけっぷち”のヴァレは、ザクセンリンクのインタビューでこんなふうに話している。
「ザクセンリンクは小さくて、細かなコーナーが多いんだ。(去年までの)990ccマシンだと(サーキットが)小さすぎてキツかったんだよ。だから今年は良くなるんじゃないかって期待してる。だけど、ひとつ大きな問題が」
「タイヤだよ。コーナーが多くて周回も多い。(タイヤには)とてもヘヴィなレースになる。“エッジ”を多用することになるね。今回はとにかく正しい選択が絶対だ。あとはお天気がいいことを願って(笑)」
「最高のセッティングにタイヤ。僕たちは必ず見つけるよ」
こんにちは。
どんな天才でも、ピークや体力の限界が必ず来ますからいずれ居なくなる事は避けられない事実でしょう。
だからこそ、今のレースを見ていく事が大事かも。
個人的には、5年間ディスモセデッチ初期から関わってきた、カピロッシが来期は別のチームに移るらしい...と言う噂を聞きましたが、自分の乗っている(&過去乗っていた)バイクと同じメーカーが、至近やチームの規模で10倍も違う巨大なメーカーチームに立ち向かう姿を見続けると思います。
FP1&2で、ストーナーがトップタイムを出して居ますが、FP2では、ヴァレも2番手に...予選結果ですらあまりあてにならないレースは、観てる方も大変です(笑)
by HIRO (2007-07-14 15:57)
かつて、ケビン・シュワンツが引退してから、
当時のWGPを鈴鹿まで観に行く気力が無くなったのを思い出します。
でも、これは仕方のないことなんですよね。
観る側としても、
思い入れが強ければ強いほど、
いなくなった穴は大きい訳だし、
かといって走るレーサーの側は、
体力的にも精神的にも限界があるし訳だし。
それでも、自分はまたレース観戦を楽しんでます。
新しい世代に、また思い入れ出来るライダーがいれば、
きっと情熱も戻ってきますよ。
by のらねこ (2007-07-14 19:38)
HIROさん♪
初めて好きになったライダーがヴァレンチーノだった、というより、好きになったヴァレンチーノはグランプリ・ライダーだった、という感じなので、どうしても。いなくなった後、を想像することが難しいのです。
武豊騎手をずっとずっと好きで、競馬を見る者として、同じ時代を生きていることを誇りに思うぐらい、武豊騎手が好きなのです。彼のようなジョッキーは今いないし、これから先、現れるかどうか…。
突出した存在だから、それが失われたときの喪失感は大きい。もうしかたないことです。
ヴァレンチーノも同じ。
彼というライダーを知り、好きになって、レースの面白さを知りました。そしてさらに好きだと実感し。彼と同じ時代を生き、彼のレースを見ることができて、とても幸せだと思います。
ザクセンリンク
ヴァレも言っている通り、ドライでタイヤ・チョイスでミスしなければ十分勝機。
motoGPクラスは依然としてポールシッターが勝っていないので、予選は飛ばしすぎないで~、とワケのわからない願いで見てしまったりします(汗)
のらねこさん♪
サイレンススズカ、というお馬がいたのですが。あの子がレース中に事故にあい、2度と戻らなかったとき、もう競馬はやめようと思いました。
それでも戻ってしまった。あろうことか仕事にまでなってしまった。そして。ディープインパクトは3冠馬になり、武坊が3冠ジョッキーになるところを見せてくれた。
やめないでよかったなあ、と思いながら。武坊が引退したら、と思うと、今のヴァレンチーノへの思いと同じ気持ちをまた感じるのだろうな、って。
ヴァレみたいな子が現れる日は来るのかな。
来ない気がする裏に、来てほしくないという思いがあります(贅沢)
ダニーと、そしてアンドレア・ドヴィツィオーゾが。
motoGPクラスで、エキサイティングなバトルを見せてくれるかな(うっとり)
XXAR2さん♪ nice!ありがとうございますッ
by 柊なお (2007-07-15 01:58)