バルサ連勝止まる [FOOTBALL]
久しぶりにゆっくりとサッカーの試合を見た。
美しいのはアトレティコが強いからだろう。フェルナンド・トーレスは見るたびにスケールアップしている気がしてならない。ソシオだが、スペイン代表ファンでもある私にはうれしいかぎりだ。
シーズンオフや区切りの時期には、必ずといっていいほど名前が挙がる。さあ、次こそフェルナンド・トーレスはどこへ行く―。それでも彼は赤と白のストライプを脱がない。
決して強い、とはいえないクラブだ。現在勝ち点29、11位。対するバルサは勝ち点52で首位である。
リーガでの連勝は14で止まったことになるが、連勝が始まる前の敗戦も、アトレティコだったバルサである。これで今季は勝ちなし。アウェイでの黒星には目をつぶるとして、カンプノウでのこのゲームはどうか…。
ロニーとエトオの不在を、その理由として挙げ、それで結論づけてしまうのは、あまりにも哀しい。ピッチの彼らが、身にまとう哀しさと同じ気がしてならなかった。
何をやってもうまくいかないときがあった。勝ったとしても、そのいい形が続かない。敗戦には暗い影がつきまとい、弱すぎることはなかったが、ファンの愛にこたえられるだけのデキにはなかった。
“ダメなんだよね~”という一種諦めにも似た背中を、彼らはしていたように覚えている。
似た空気があった。攻撃の最も比重の大きい部分を、彼らは欠いていたのだから、決定力が下がるのは、もう致し方ない。戦前からわかりきっていることだ。割り切って、ディフェンシヴなスタイルを選択することは可能だったはずだ。しかし、先制点を取られ、あっという間に2ゴール差になり、ラーションのゴールで1点差に詰めるも、引導を渡される3点目を決められる。
3点目の取られ方が、以前のバルサだな、と思った。ファウルからのリスタートだったが、上がりきったラインは、アトレティコの攻撃に対応できない。いいようにパスをつながれ、抜群の動きを誇ったフェルナンド・トーレスに渡る。決まらないわけないだろ、の一連の流れ。目を閉じたところでしょうがなかった。
気負いすぎてはいなかっただろうか。それとも、その全くの逆なのか。
『ロニーとエトオがいなくても、強いバルサを見せつけなくてはならない』
確かにそうだろう。ここはカンプノウなのだから。求められることは、最高の勝利だ。それは間違いない。だが、ソシオはわかっている。ロニーとエトオは最高のプレイヤーで、バルサの誇る2人なのだということを。決して欠くことのできない選手なのだということを。
その2人がいないのであれば戦力ダウンは必然。わかっていることだ。隠す必要はない。
連勝はいつかは止まる。リーグ戦においての敗戦は、それを重ねることさえなければ、何も支障はない。すべてのゲームに勝つ必要はないのだ。それを課せば、すべてを取りこぼすだろう。
彼らにとっては、“たくさんあるうちのひとつ”でも、足を運んだサポーターにとっては、唯一のゲームかもしれない。その唯一が黒星だとしても、納得できることがある。それは、ピッチの上の彼らが、胸を張ってプレイをすることだ。
自信を失わないでほしい。敗戦も糧のひとつなのだから。何かがそれで終わってしまうわけではない。またそこから始めればいい。
チャンピオンズリーグも待っている。次こそ負けられない。チェルシーとの戦い。
そのときの最高を、見せてくれればいいだけだ。胸を張る彼らを愛しているのだから。
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