補習2時間・1時間目 [MOTORCYCLE]
19日午後。とても寒い日だった。
年末年始を挟んで、またほぼ1カ月ぶりのオートバイになってしまったけれど、そのことに不安は全くなかった。バタバタと準備し、ヘルメットと教習セットの入ったコットンバッグを持って、送迎バスの停留所まで走る。
バスに乗ること20分、教習所に到着。いつも通り、カードリーダーに教習生カードを通すと…“配車エラー”
よくよく見ると、“免許切れ”。つまりはまァ、更新通知がされていない、ということ。
そうだった。期限、去年の暮れだったんだっけ。いっしょに自動二輪の免許の書き換えできるといいな、って思ってたんだ、あの頃は。―叶わず。
遠い目になりつつ、免許証を提示し、教習手続きをしてもらった。
補習1時間目の担当教官は、初めての先生で、何だか怖そうだった。おじさんで、ひょっとしたら検定の先生なのかもしれない、と思いつつ、「じゃあ、ウオームアップ終わったら、苦手なところ練習してて」の言葉だけもらって教習開始。
いろいろ教えてもらいたい、などとこの期に及んで思っていた私の願いは虚しく散り、それでも“怖そうな先生だったからな。マンツーマンでガツガツ言われたら、逆に凹むかもしれないぞ”(←激しく弱気)と考え直して、ひとり一本橋へ向かう。
とにかく練習あるのみ!と、何度も繰り返し渡る。リアブレーキを引きずる感じ、を意識して、半クラッチ・ニーグリップに、肺が痛くなるぐらいの深呼吸と、たくさんもらったアドバイスを忘れず全部、やってみた。
一本橋に対してまっすぐにマシンをつける。止まったら深呼吸。大きく深く。ヨシ、とうなずいて、アクセルを回して半クラッチ。行け!と段差に乗る。
後輪まで乗ったら、リアブレーキを軽く踏む。オートバイの揺れが減った気がした。ニーグリップを強くし、なるべく遠く、と視線を前に向けると少しフラついた。手前に戻すと落ち着く。いいや、無理して遠く見なくても。ちゃんとできるなら、それで行こう、と思い直す。
何度目かの一本橋で、リアブレーキを踏まないように右足の爪先が上がっていたことに、初めて気付いた。1段階で何度もエンストした時、リアブレーキを踏んだままだったことを指摘され、それを意識して踏まないように、と強く思っていたらしい。
その後ずっと一本橋では、検定はもちろん、練習のときもリアブレーキを使わずにいたんだろう。意識してリアブレーキを踏んだのは初めてだったのだから。
何事も“無意識”にはできない。そりゃあそうだ。オートバイに乗らなくても、別に生きていけるのだし、生活が変わるわけでもないのだし。意識して、きちんとしていかないと、クルマを操るようには、私はまだオートバイを運転することができないのだ。
次への課題に移ろう、とコースに出るも、その日はなぜだかやたらに車が多い。渋滞に巻き込まれているのも時間がもったいないし、近場のS字に入ってみた。
ゆっくりS字を通過していく。後ろに黄色いゼッケンの男の子が続いた。1段階だ。後ろにつかれるとプレッシャーがかかる。失敗しないように!と強く思ってしまう。出口にたどり着くと先生が来た。
「カーブの外~」
突然言われて、え?と思った。今ここで言葉を思い出せない。
右のひざ上を、グッと手のひらで押されて、「こっちに体重をかける」
「やじろべえ、を想像してみる。左に重りがついてて、バランス取るためにはどうしたらいいか。右に何もなかったら倒れちゃうだろ」
そんなようなことを言われた。2度3度と言葉を変えて、説明された。わかるだろ?と言われて、「はい」と返事をしたものの、何となく感は拭えなかった。もう一度S字に向かう。
言われたままにやってみた。意識して体を動かしてみた。「前傾!」と言われて、そうだ、とグイと体を前に出す。フラフラしない。いつもよりスムーズに通過できる。そうか、こういうことか、と納得する。
もう一度繰り返す。後ろに男の子が続いてきても、全然気にならない。
「もっと奥!」と先生が指で示す。視線を向ける。マシンはおとなしく行きたい方にアタマを向けてくれる。「次!」と出口を指す先生の指の先を見る。
「次はスピードアップ。セカンドで通過」
一瞬オタついたけれど、やるしかない。できない、という気持ちはなかった。短い距離でシフトアップする。「スピードオーバーだと思ったら、リアブレーキ。クラッチは使わない」先生の指示に素直に従う。左手は動かさない。視線の向きでマシンは正しい道を行く。
楽しい!
そう思えた。どんどんできるようになる!と実感した。
黄色いゼッケンを着けていたとき、確かにS字は通過していた。クリアして2段階に行ったのだから。でもそのときに感じることのなかった“できた!”を、このとき初めて感じた。嬉しかった。
「じゃあ、次はクランクに行ってみよう」
先生の後について走る。入り口で待つことなく、そのまま入っていく。後ろにはやっぱり男の子が続く。以前ならプレッシャーを受けまくるところだ。自然に通れる。前傾を意識し、バランスを取る。
「オートバイのハンドルは、押すじゃなくて引く」
行きたい方に腰から向く。そうすれば自然と腕が引かれる。握っているハンドルも引かれる。
「簡単なんだよ」と先生は笑った。
結局その1時間は、一本橋の自習とS字とクランクで終わってしまった。急制動と苦手のスラロームは全く手つかず。次の時間も練習だ、という気持ちもあったけれど、とにかく意識していろいろなことができたこと、その動きがオートバイに対して、どんなふうに働くかがわかったこと。そして、“できた”ということを実感できたこと、が本当に嬉しかった。
最高だった。もっと上手になりたい!と強く強く思った。楽しくてしかたなかった。
こんにちは。
久々...と言う事もあるし、初めての恐そうな教官とかもあったのでしょうが、
苦手を少しずつでも克服出来て行く達成感は大事だと思います。
公道では、失敗は自分に跳ね返って来ますから、簡単に受けるよりはちゃんと練習した上で、乗れるようになる方が良いと思います。
頑張って下さい。
by HIRO (2006-01-22 11:36)
よかったですね♪大進歩じゃないですか!!
うまくできなかったことが、ちょっとしたコツをつかんだことでポッとできるようになった経験、私もしました。楽しんでできたら、もうこっちのもんですよ!
次もがんばってくださいね(^^)b
by pitts (2006-01-22 13:39)
楽しい!と思えたら、免許取得まですぐですよ~
寒いけど頑張って下さいね♪
by ちえちえ (2006-01-22 16:39)
とにかく楽しめてよかったです。
思い通り操作できたことは、自信につながりますよね。
慣れれば、課題の中ではスラロームが一番楽しいかもしれませんよ。
私の場合は、ブーン(アクセル)・ポン(リアブレーキ)・ブーン・ポン...てな感じでやってます(ヘタクソなのでご参考まで)。
by kobaban (2006-01-22 19:58)
いつもコメント、本当にありがとうございます!
暖かくて、寒い夜に心がポカポカになります。嬉しいです!!
HIROさん
こんばんは~。nice!&コメント、ありがとうございます♪
検定の補習、というところまで来てしまいましたが、それでも本当にこうやって練習できて、“できてきたぞ!”と感じることができたのは、すごく大きいし、嬉しいです。
これまでの検定は、落ちるべくして落ちてたんだな、と。
しっかりできるようになって、本当に本当にすべての総仕上げとして、検定を受けたいと思います。
pittsさん
こんばんは~。nice!&コメント、ありがとうございます♪
本当にここまで来ちゃって、今まで何やってきたんだ、って思ったりするんですけど、それでも“これかーッ!!!”という感覚を得られたのは嬉しかったです。
次も絶対できる、って手ごたえがありますもん。最高ですよねッ
頑張ります!!
ちえちえさん
こんばんは~。nice!&コメント、ありがとうございます♪
そうですねー。本当にあともう少し。検定受かったら、文字通り“卒業”じゃないか、とか思うと妙な寂しさが…(受かってから言え...汗)
もっともっと練習したいな、ってすごく思います。心の底から、超!前向きに。
また補習受けに行っちゃおうかな、なんても思ったり。いや、でも冗談抜きで、今度の検定落ちたら、嬉々として補習予約しそうな自分。
“落ちるのが怖いんだよ…”って背中を丸めていた自分がウソみたいです。
kobabanさん
こんばんは~。nice!&コメント、ありがとうございます♪
スラローム!! “2時間目”に書いたのですけど、なんでか上手になってたんですよー。ビックリしました。楽しい、って感覚、今まで全くなかったですけど、生まれてしまいました。“これは面白いかもしれない”
な~んて、皆さんから見たら“え、それで?”な出来具合だと思うんです。それでも、今までみたいな後ろ向き回路はなくなりました。
kobabanさんの“ブーン・ポン”意識してみようと思います♪
by 柊なお (2006-01-23 00:33)