スラムダンクの話 [FAVORITE THINGS]
さとなおさんのゼミに通っている。
ゼミ、といっても隔週全5回の小さなもの。コミュニケーションデザインについての話。
スラムダンク1億冊ありがとう、って全国5紙に全面広告載って、『あれから10日後』があった。
あの全部を仕掛けたひと。でも全然知らなかった。ゼミ行くことになってから著書「明日の広告」を読んで、初めて知った。
スラムダンク。
大好きなのに、1億冊ありがとうの新聞広告もリアルタイムでは知らなかった。もちろんWebサイトも見なかったから、三崎高校に行くこともなかった。雑誌SWITCHの発売後にやっと知って、ものすごく焦って本屋さんを回ったことを覚えてる。
作者、井上雄彦さんが1億冊の感謝を伝えたい、っていう話がきっかけ。
それをどう伝えるか、をさとなおさんはじめ9人のスタッフさんがみんなで考えたこと。
伝えたいひと、は『スラムダンク』のファンで、雄彦(ってもう言っちゃうけど)の心からの感謝を伝える、というミッション。ふつうの広告と異なるのは、伝えたいひと、がはっきりとわかっていること。
もともと、それを好きなひと、だから簡単そうに思える。
だけど、ひとりひとりの中にそれぞれの『スラムダンク』がある。
生半可な伝え方では、上滑りして雄彦の気持ちが伝わらないかもしれない。
どうすれば心からの感謝を伝えられるのか。
雄彦も含め、スタッフさんとぎゅうぎゅう考えた結果が、新聞広告とWebサイト、三崎高校での黒板マンガだった。
お話聞いてて、うかつにも泣きそうになった。
新聞広告に載った井上雄彦の彼らを見たとき、ただひたすら嬉しかった。
2度と会えない、と思ってた。ありがとう、は私から言うことだ。
三崎高校での映像も見せてもらった。
黒板に描かれた「あれから10日後」
最後まで悩んだ、っておっしゃっておられた「黒板に手を触れないでください」の注意書き。
立て看板みたいのは絶対に合わないし、誰かに見張らせるのもどうかと思う。
結局、何もせずただ黒板に描かれたまま、イベントは開催された。
黒板に向かって携帯電話のカメラを向けるひとはたくさんいた。
目を潤ませるひともいたし、嬉しそうに笑うひともたくさんいた。
だけど、黒板に近づくひとはいなくて、いたずらしようとするひとも全くいなかった。
新聞広告には、『スラムダンク』の文字はない。
湘北のスタメン5人と木暮くん。井上雄彦の名前とWebサイトのURL。
わかるひとにだけ伝わればいい。
結果、三崎高校に来たのは『スラムダンク』を大好きなひとたち。
雄彦の気持ちが伝わる。黒板は宝物。
「全巻を2回買いました」
「井上さんの写真を部屋に貼ってます。いつも見てます。男の僕が見ても嬉しくないと思うけど、僕は井上さんに見られてていつも嬉しい」
「バスケが大好きになりました!」
「アタマの中に全部入ってます」
ああ、どあほうばかり。
セリフをソラで言える。そのセリフをいつどこで誰が言うのか脳内で簡単に再生できる。
大好きなシーンがある。忘れられない言葉がある。
私も、どあほうだ。
-----
でもあのとき。
私の身近には、そこまでのどあほうはいなくて、新聞広告もWebサイトも見逃した。
仮に目にできたとしても、「あれから10日後」に行くチャンスがあったとしても。
私は三崎高校に行かなかったかもしれない。
いっしょに喜ぶひとがいなかったから。
その場に行けばまた何か違っていたかもしれないけど。
今はいる。
同じものを好きなひとがいる、って幸せなことだ。
いっしょだと嬉しさも倍々ゲーム。
つらいことも…乗り越えていける気がする。
ゼミ、といっても隔週全5回の小さなもの。コミュニケーションデザインについての話。
スラムダンク1億冊ありがとう、って全国5紙に全面広告載って、『あれから10日後』があった。
あの全部を仕掛けたひと。でも全然知らなかった。ゼミ行くことになってから著書「明日の広告」を読んで、初めて知った。
スラムダンク。
大好きなのに、1億冊ありがとうの新聞広告もリアルタイムでは知らなかった。もちろんWebサイトも見なかったから、三崎高校に行くこともなかった。雑誌SWITCHの発売後にやっと知って、ものすごく焦って本屋さんを回ったことを覚えてる。
作者、井上雄彦さんが1億冊の感謝を伝えたい、っていう話がきっかけ。
それをどう伝えるか、をさとなおさんはじめ9人のスタッフさんがみんなで考えたこと。
伝えたいひと、は『スラムダンク』のファンで、雄彦(ってもう言っちゃうけど)の心からの感謝を伝える、というミッション。ふつうの広告と異なるのは、伝えたいひと、がはっきりとわかっていること。
もともと、それを好きなひと、だから簡単そうに思える。
だけど、ひとりひとりの中にそれぞれの『スラムダンク』がある。
生半可な伝え方では、上滑りして雄彦の気持ちが伝わらないかもしれない。
どうすれば心からの感謝を伝えられるのか。
雄彦も含め、スタッフさんとぎゅうぎゅう考えた結果が、新聞広告とWebサイト、三崎高校での黒板マンガだった。
お話聞いてて、うかつにも泣きそうになった。
新聞広告に載った井上雄彦の彼らを見たとき、ただひたすら嬉しかった。
2度と会えない、と思ってた。ありがとう、は私から言うことだ。
三崎高校での映像も見せてもらった。
黒板に描かれた「あれから10日後」
最後まで悩んだ、っておっしゃっておられた「黒板に手を触れないでください」の注意書き。
立て看板みたいのは絶対に合わないし、誰かに見張らせるのもどうかと思う。
結局、何もせずただ黒板に描かれたまま、イベントは開催された。
黒板に向かって携帯電話のカメラを向けるひとはたくさんいた。
目を潤ませるひともいたし、嬉しそうに笑うひともたくさんいた。
だけど、黒板に近づくひとはいなくて、いたずらしようとするひとも全くいなかった。
新聞広告には、『スラムダンク』の文字はない。
湘北のスタメン5人と木暮くん。井上雄彦の名前とWebサイトのURL。
わかるひとにだけ伝わればいい。
結果、三崎高校に来たのは『スラムダンク』を大好きなひとたち。
雄彦の気持ちが伝わる。黒板は宝物。
「全巻を2回買いました」
「井上さんの写真を部屋に貼ってます。いつも見てます。男の僕が見ても嬉しくないと思うけど、僕は井上さんに見られてていつも嬉しい」
「バスケが大好きになりました!」
「アタマの中に全部入ってます」
ああ、どあほうばかり。
セリフをソラで言える。そのセリフをいつどこで誰が言うのか脳内で簡単に再生できる。
大好きなシーンがある。忘れられない言葉がある。
私も、どあほうだ。
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でもあのとき。
私の身近には、そこまでのどあほうはいなくて、新聞広告もWebサイトも見逃した。
仮に目にできたとしても、「あれから10日後」に行くチャンスがあったとしても。
私は三崎高校に行かなかったかもしれない。
いっしょに喜ぶひとがいなかったから。
その場に行けばまた何か違っていたかもしれないけど。
今はいる。
同じものを好きなひとがいる、って幸せなことだ。
いっしょだと嬉しさも倍々ゲーム。
つらいことも…乗り越えていける気がする。
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