“楽しむ”ということのエネルギー [MY SWEET HORSES]
どうしただろう、と気にかけてくださった方、事前にお知らせできず、申し訳ございませんッ
3日のツーリングは、komiさんのご案内で、一宮御坂の方へ行こう、ということになっておりましたが、言い出しっぺえのワタクシが、頭痛でダウン。ぐらぐらするアタマで見回す薄暗い部屋のあちこちに、準備していたウインターパンツやウエストバッグ、ヘルメットを見てガックリ。
ああ、本当に。ダメダメな自分にうんざりした一日。午後からの暖かかな陽射しに、思わず洗濯機を回してしまいました……(ふー)
少し前の話―
久しぶりに、車を運転した夜。環七に入ろうと交差点を右折した。本線に合流するため、側道をスピードを上げて走り抜けようと思った。前方に誰か立っている。手にした赤いバーが横になっているのを見て、何も考えずにブレーキを踏んだ。
静かに近づく“誰か”は水色の服を着て、白いヘルメットをかぶっている。検問だ、と思った瞬間、路肩のパトカーに気がついた。
何も悪さはしていなかったけれど、ドキリとした。停められるまでその気配に全く気づかなかった自分にドキリとしたのだ。ハニーの右側に立った警官の左手には白い筒状のもの。飲酒の検問だ。はっきりわかった瞬間、ふう、と安堵する。私が飲酒でつかまることは、これまでもこれからも。絶対にないと言い切れる。
「お急ぎのところすみません。これにふー、としてください」
差し出された筒に、言われたまま、ふうとする。何の反応も示さない筒を、ひょいと引っ込めて、「はい。ありがとうございましたー。安全運転でお願いします」と、彼は言い、インプレッサから一歩離れた。
その後は、少しゆっくりと走らせる。特に急いでいるわけでもない。
その夜の、また少し前の話―
久しぶりに、車に乗った。ひとりで、のんびりとステアリングを握れる時間。ようやく『さざなみCD』を聴くことができる。途中のスタンドでハイオクを3000円分入れる。窓を開けて、カーステレオのヴォリュームを上げる。初めて聴くメロディと、チラッとだけ見た歌詞が流れていく。
マサムネさんの声は、いろいろを解放していく。とびきり切ないメロディでも、泣かせるためのメッセージでもないのに。大丈夫なんだ、と思わせてくれる。こういう時間が私には。絶対に必要なんだと改めて思った。
向かう先に近づくにつれ、夕方の渋滞が始まる。トラックターミナルを抜けて照明塔が輝く場所へ。駐車場の入り口がわからない。施設に沿って交差点を左折する。ようやく見えてきた入り口の文字。切り返さなければ入れないかもしれない、と思う細い路地に鼻先を突っ込んだ。
駐車料金を払い、立体の2階へ上がる。ハデな音を立てながら、インプレッサを停めてジャケットを引っつかんで車を降りる。入場料100円を収受口に入れ、スクラッチカードを1枚もらった。
目の前にパドック。電光掲示板を振り返る。見知った名前は残念ながらなく、何のレースなのかもわからない。とりあえずもう来ているだろう友人に連絡をしようと携帯電話を取り出した。
内馬場にいるという友人に場所を聞きながら歩く。内馬場というのは、文字通りコース(馬場)の内側のことだ。売り場はもちろん払戻所もあるし、スクリーンも設置されている。ベンチやテーブルも置いてあり、のんびりするには問題ないけれど、パドックに行くには地下道を通らなくてはならないし、スタンドのように風をさえぎる場所もない。
何でそんなとこにいる?と聞けば、混んでるから、と言う。グルリと見渡しても、そうは思えない。たいして混んでないよ、と言っても、いいから内馬場へ来い、と言う。しかたなく地下へと下り、言われたままに歩く。
夜間開催をメインにする大井競馬場は、地下道にもちょっとした遊び心を覗かせている。ブラックライトに輝く星座たち。見上げて歩くのは楽しかった。
見かけたパドックは8レースのものだった。7レースから早速馬券を買っているという友人たち。8レースが締め切られるぞ、と急かしてくるけれど、どっから買ってるねん、と笑っておいた。
この日の大井競馬場で行われるメインレースは、JBCスプリントとクラシックという、JRAからの参戦もあるレースだ。日本の競馬システムは、大きく分けてふたつあり、俗に中央、地方と呼び分けられている。
武豊騎手やディープインパクトは中央競馬所属だ。もうだいぶ前になるけれど…オグリキャップは、デビュー当時は地方競馬(笠松)所属で、中央に“移籍”してきた子だった。イナリワンしかり、ライデンリーダーしかり。
地方競馬にも、たくさんのドラマがある。話しだすとキリがなくなる。またの機会にするとして、この日の話に戻そう。
ぼんやりと馬が走るのを見ることが好きで、何も考えず、馬券も買わずに飽くことなくテレビで競馬を観ていた私が、ポンと日々の仕事に競馬を選んでから、その知識が加速することに何の疑問もない。離れて久しいけれど、その知識を総動員して馬柱に夢中になる。
日が暮れて気温が下がり、風が吹くとかなり冷える。ホットコーヒーで指先を温めながら、寒いねえ、と言いつつ、ゲラゲラ笑って予想をした。
スクリーンに映し出されるパドックを見て、もう一度馬柱に目を戻す。マークカードを分けてもらい、黒いボールペンでシルシをつけた。お約束のGI武坊馬券も忘れずに。
完璧に思い出したつもりでいたけれど。マークカードのフォーメーションをどうやら間違っていた。“ながし”のつもりで買ってしまった。当たってないからいいんだけど。
1レースずつ、根気よく考える。スプリントは、まさかないよね、と思った子がまんまと勝ってしまった。前走2ケタ着順で休み明け。買える条件じゃない。いくらその前に、怒涛の10連勝を大井で飾っていたとしても。重賞になったら4着、11着。馬券になっていない。壁があった、と考えてもしかたない。
1番人気に推された武豊騎手のメイショウバトラーは、前走から14キロ体重が減っていた。馬柱を見るかぎり、体重そのものはそれほど細いわけではないけれど、牝馬の2ケタ減りは気になる。さらに1200メートルは少し短いのではないか、という不安…。案の定(?)、直線で伸びを欠き8着に終わった。
気になっても何でも。武坊馬券、を買わずにいられない私は、やっぱりバカなんだろう。
かすりもしなかったスプリントの結果を、「まあ、しかたない」と一応反省し、クラシックの馬柱を見る。パドックではやはりJRA勢が良く見える。
武豊騎手のヴァーミリアンは、3月末のドバイ以来になる。休み明けはどう?と友人に聞いてみると、当初から、ぶっつけでJBCの予定だったと言う。見た感じ、きちんと仕上がっているようだ。
人気はもうしかたなかった。JRA勢を中心に馬券を買う。勝負はヴァーミリアン1頭軸の3連複。
見えづらい内馬場から、コースをすかし見る。蹄音を聞きながら彼らが走る姿を見るというのは、本当に嬉しいことだった。最後の直線では、馬券も何もどうでもよくなってしまった。ただヴァーミリアンが勝つといい、と必死で思っていた。
「武坊、武坊ッ」と思わず声が出る。
見直した映像では、200メートルを切ってからの脚がほかの子と全く違っていた。現場のスクリーンでは、その瞬間を捉えていない。映していたつもりだったのだろうけれど、あんまりにも一瞬で、2着争いの子たちしか残されていなかった。
見に行ったGIレースで、武豊騎手が初めて勝った。勝負ごとには“ゲン”は付き物だから。今までどうしても。足を向けられずにいた。ディープインパクトが負けた有馬記念は、私が唯一、会社で見たレースだった。それまではずっと、家で楓と見ていた。それでも緊張して、ノドから心臓が飛び出しそうだった。それはもう大げさでも何でもなく。
だから、本当に。この日の勝利は嬉しくてたまらなかった。馬券はかすっただけで終わり、ヴァーミリアンの単勝馬券だけが当たりとなった。払い戻さず、そのまま持ち帰った。
寒いねえ、と背中を丸めながら、ホットコーヒーをすすり、当たらないねえ、と言いながらケタケタ笑った。体を冷やした時間全部が、もうめちゃくちゃに楽しかった。こんなに笑うの久しぶり、とどこかマンガのセリフみたいなことを思ったりした。
そして、大好きな武豊騎手が勝って、最高の夜だった。
順番に送り、最後に環七沿いのブックオフに立ち寄った。友人は『エリア88』を探し、私は『ルパン三世』を買いたかった。閉店ギリギリに飛び込んで、文庫コーナーだけを見る。100円の棚に『ルパン三世(1)~(4)』を発見。ガツッとつかみ取りのように手に持ち、レジへと急いだ。
お互いの収穫を、うわはははは、と笑い、また行こう!と別れた。仕事先の“友人”なんて、仕事が変わればもう会わないのかな、とうっすら思っていた私には、今の彼らはトテツもなくかけがえのない存在だ。自分でも…驚いている。
ひとりになり、改めて『さざなみCD』を聴く。行きに初めて聴いたとき、涙が出そうになった歌も、帰りには気持ち良く体にしみわたる。泣きそうになったけれど、それでもまだいろいろなことが、実はチャンスなのかもしれない、と思い直してみた。
ガチガチにならず、気持ちを楽に、肩の力は適度に抜いて―。そうしないとうまくいくこともうまくいかない、そんなふうにマサムネさんは歌うから。
「もう少し、また前向いて歩いてみようか」
そんなふうに思う夜だった。
楽しい一日でしたね♪
凹んだり、高揚したり、出会ったり、別れたり....人の気持ちって色々な場面に対応出来るから面白いですよね
小さな収穫にnice!
by まえまえ (2007-11-04 21:02)
エリア88が読みたいと思ったお友達が良い感じです・・・・・・あっ記事とは全然関係ないですね。(活字のルパン結構好きです。)
by (2007-11-05 02:05)
ヴァーミリアンのおかげでおいしい馬券にありつけたヤツがやってきましたよ。
まさかと思った馬が来るのが競馬の面白いとこなのよね。
そのまさかの馬から馬券を買わなかった自分も痛い目見ましたから。
あれだけよく見えたと騒いでるならワイドくらい買えと、突っ込まれまくり。
無事3000勝到達したけどまだまだ勝ち星量産しそうですね。
困ったときの武豊・・・馬券でも結構使えますからねぇ。
by (2007-11-05 10:26)
競馬、また写真を撮りに行かねば...
前回はレースやってなかったからね^^;
武豊騎手、勝ってよかったですね。
by (2007-11-05 13:35)
こんにちは。
体調が完璧でないと本当に楽しめませんから、ツーは行けなくて残念でしたが、他の楽しみを満喫出来たようで何よりです。
by HIRO (2007-11-05 21:52)
まえまえさ~ん♪
今またダメモード炸裂中で、かなり元気ないのだけど…。
誰かといると、ちゃんとそのときを楽めていますわ。だからダイジョブかなあ、って。自分なりに診断中。出かける元気とかなくなってくると…。本格的にマズいよねえ、って。
この夜はホントに楽しかったです~。何でこんなに楽しいんだろ、って思うぐらい。どあほう軍団で、いかんなー、と(笑) それだけでもやっぱり。辞めちゃったとこだけど、入ってよかったなあ、と思いますわ。
B’SPACEさん♪
『エリア88』、ワタクシも読み途中なのですよー。読み途中マンガもたくさんあるなあ…いかんなー。『ルパン三世』は順調に読み進んでしまい、早く続きを買いに行かねばッ、な感じです。
原作ルパンは、テレビとかなり違ってて、“エッチ”でいいですよね~vv
ワタクシ的実写ルパン(脳内変換バージョン)は、ヴァレンティーノ・ロッシなので、ヨダレが出るほど身悶えますわ(←どヘンタイ)
放蕩息子さ~んッ
フジノウェーブは、「この子はないやろー」で、馬柱見て、何も言わず無印ですよー(涙) いやあ、やっぱり大井は難しいわね、と(しみじみ)
そしてクラシックは、最後にサンライズバッカスを切ってパー。一瞬、「あれ? 私、馬券買ったんじゃなかった?」とか図々しく夢見ちゃいました(どあほう)
それでも武坊が勝ったから、もう最高でしたね~。あの瞬間はホントに寒さが吹っ飛びました! 「かっこいい~、かっこいい武坊、最高vv」と(ウットリ)
3000勝
すごい数字だと。実感が薄いのは何なんでしょう…不思議。
積み重ねてきた数字がすごいから、何でもないことみたいに思っちゃいますわ。200勝とか。続けて出しちゃうひとなんだもの。
困ったときの
武坊、意外と万馬券多いですよね~。美味しすぎるッ(くうううッ)
シンナツさん~♪
競馬場は楽しいですわあvv お馬の写真、よいですよ~。
ワタクシの記憶の中の京都競馬場は……やはりレースをやっていなかったです(しくしくしく)。ああ、お馬がいるときに、ぜひとも京都に行きたいですッ(天皇賞とかーvv)
武坊、すばらしかったです♪ 本当に嬉しかったです~vv
HIROさん♪
土曜日はガックリだったです…。ダメ続きで、なかなか。元気出ないところに、また、って感じで。水曜日のパワー充電も木曜日で使い果たした感じで。
少し元気になりつつも、完全充電にはほど遠いみたい(とほほ)
by 柊なお (2007-11-06 01:36)
とっても長い一日だったんですね~
いろんなことが詰め込まれた感じですね。
11月3日のツーリングはキャンセルしちゃいましたが、次回は参加しますのでまた遊んでくださいね(^▽^)/
では~
素敵な一週間を~
by (2007-11-06 22:22)