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love Hiroyuki #41 [BASEBALL]

 今シーズンは、今まで生で観たことがなかった渡辺俊介狙い撃ち、でマリンスタジアムに行っていたけれど。そろそろこのあたりで。宏之や成ちゃんを観に行くのもよいかもしれない、と。私自身は直行も。“面倒見なくちゃ”と思いつつ。

 宏之を観に、雷雨の中をマリンスタジアムに行ってきた。

 定時ダッシュ必至の17時。『何しに来たんだよ』なジーサンズの襲来を受け、痛恨の出遅れ。日が短くなったと諦めるのか、それともどんよりな雲が暗さを演出しているのか。空を見上げて急ぎ帰宅。
 かえちゃんの散歩とご飯を済ませて、雨グッヅをバッグに詰め込み、ウエストバッグにいろいろを入れてハニーの元へ。今度は忘れ物ナシ。

 パチリとつけるラジオは文化放送。今季鬼門の福岡で西武は早速負けている。『ホークス先発の斉藤和巳が…』と聞けば、「今日はもうしかたないよね」と苦笑い。
 途中経過で千葉マリンスタジアム。ロッテ先制の報の後、『7時15分から降雨のため試合が中断しています』

 最悪の試合だった前日。いいかげん嫌になってガソリンを入れに出かけようと思った。ゴソゴソと準備をしながら眺めるテレビの画面。大粒の雨がフィールドを白く薄めていた。
 「あれ。マリンで雨が降ってきた」とチラリとカーテンを開けて外を見やる。どんより雲は変わらなくても、雨の気配は薄い。

 そんな流れを思いだす。「じゃあ、これからか」と深呼吸。けぶったような空気を裂くように、いつもの道を走っていく。
 渋滞の尻尾を横目に高速へ。時間が30分違うだけで帰宅の車の量が増す。チ、と小さく舌打ちしながら、真ん中の車線でおとなしく。ポツポツとフロントガラスを叩きだした雨が、あっという間にどしゃぶりに変わった。空を大きく光らせていた雷が牙を剥き、稲妻が至近距離で2本走った。





 駐車場にハニーを停めて、水たまりを避けて歩く。雨はすっかり小降りになり、雷もどこかへ行ってしまった。ボウと光るマリンスタジアムの空を見ながら歩道橋を渡る。同じ方向に歩いていく影はなく、すれ違う家族連れ。まさか中止になってないよね?と、少し早足になる。

 いつもなら絶対に素通りしない屋台の前も、見えないふりで通り過ぎる。ウカウカ買って、ゲートに向かったら試合中止でハイ撤収、なんて笑えない。何が何でも宏之を、少しでも長く観たかった。

 「ちょっと疲れてるのかもね」
 そんな試合が最近続いていた。ポーカーフェイスを貫きながら、悪いなりにも丁寧に投げるひとだから、大量失点には至らなくても、苦しそうな背中に見えた。

 首位ファイターズとの4連戦。セリーグでは阪神が、首位巨人との東京ドーム3連戦を、もういいかげんにしてください、と言いたくなる連日の長時間ゲームを制して3タテ。10連勝でトップに踊り出た。
 先発投手陣不足に、中軸の不振が野手全員に広がっての“打たれる・打てない”のどうしようもなさで一時は最下位に。オールスター明け、横浜ベイスターズとの3位争いに光明を見いだし、「クライマックスシリーズには行けるんじゃないか」とは思ったけれど…。
 まさかこの時点で一番上にいようとは、さすがの私も想像できなかった。

 同じことを。まんま期待していたわけではなかったけれど―。

 初戦。“エース”直行が早々に崩れた。大量失点に打線は意識を途切れさせ、あっけなく試合を手放してしまう。2位につけるホークスも負けたとはいえ、直接対決でゲーム差を開かれていてはしかたがない。
 落胆するムードの中、ローテ通りの登板でも、勝率8割超の小林宏之にかかる期待の大きさを想像するのはたやすかった。

 それはもう。ファンのみならず。

 宏之本人も、よくわかっていただろう。覚悟を決めた投球に迷いのカケラも見つからない。丁寧に投げ込む背中のしなやかさに、今日は何も心配しなくていい、と思った。スタイルのいい男だけれど。この日の美しさには圧倒されるばかりだった。

 2点目を叩きだした里崎が高々とアーチをかける。宏之の3点目。これで勝った、と確信した。

 遅い食事を摂りながら、宏之のヒーローインタビューのことばかり考えていた。
 久しぶりに座る内野指定席。少し階段を下がればきっと。お立ち台の宏之が見えるはず。そして今季はマリンスタジアム勝率10割。「完璧」と、ひとりほくそえむ。負けるなんてありえなかった。彼は美しく、雨ももちそうだった。





 9回表。先頭の田中賢にフォアボール。良くない流れだ。8回も先頭をエラーで出して失点した。それでも宏之なら大丈夫だと信じる気持ちは揺るがない。マウンドに上がる投手コーチの背中に「ヒロユキー」の名前をぶつける。
 続く稲葉にレフト前に運ばれてノーアウト1、2塁。それでも単打でよかったじゃん、と何でもなく思う自分がいた。「まだ平気」思う気持ちが宏之に、届いているから大丈夫、とマウンドに立つ背中に思っていた。

 ピッチャー交代。
 ベンチから現れるコーチの背中に続いて、背番号2が目に入る。

 ゆっくりとマウンドを降りる長い脚。俯いたままの宏之を、何もできずに見送るキツさが、この夜のすべてだった。

 そして
 この夜ほど宏之を、愛しく思った夜はない






 降りだした霧のような雨は粒を大きくし、瞬く間にフィールドに水たまりを作った。2度目の中断に、このまま終わってしまえばいいのに、とマリンスタジアムのほとんどが思っただろう。時計の針はゆうに9時を回っている。

 雨が上がり、シートが取り払われ土が入れられた。白いユニフォームが守備につき、グレーのユニフォームがそれぞれの塁上に立つ。マウンドを中心としたフィールドに、渦巻く気配を感じたひとはどのぐらいいたんだろう。
 試合再開直後、4番が送りバントを決めた。1アウト2、3塁。点差は2点。外野の肩なら大丈夫。1点は覚悟した。

 打たれる気がした。気配がそう告げていた。バントを綺麗に決められた後、一発のあるセギノールを迎えて、まさかホームランはないよな、と不安を打ち消すように思いながら。



 デジャ・ヴのように。大きなアーチが雨上がりの夜空に架かった。








 見届けることもなく、スコアボードを振り返ることもなく。席を立とうと瞬間感じた。
 ―足が動かない。

 茫然と見やるフィールドにランナーは消え、何事もなかったかのように残りの打者を片付けていた。

 9回裏。サブローからの攻撃。何してもいいから出塁して、と強く願う。このまま。負けちゃいけない、と思い直す。席を立てばそこで。諦めたらそこで。試合は終わりだ。
 何とかしなくちゃ、と必死な思いで打席に立つサブローがいる。打てなくて何度もチャンスをフイにし、やる気が感じられない、と春先には「もうサブローはクビ」と私から宣告されていた。

 いつからだったろう。彼の背中が変わったと感じた。打てなくても、しんどくても、下向くもんか、と胸を張るようになったと思った。勝手な感じ方だろうけれど、私の中のサブローは、とても大事な存在になった。

 最後のボールは変化球だった。グイグイ押されたまま、力で返そうとしていたところに抜けた球が来た。タイミングを外されたバットは空を切り、肩を落としてベンチに戻るサブローを見る。
 結果は実らなくても、彼の気持ちと姿勢は十分すぎるほどわかっていた。相手は首位チームの誇るクローザーだ。打てなくてもしかたない。配球は完璧だった。



 悔しくて泣きそうなサブローの肩を見る。「いい子ね」…褒めてあげたいと、ひたすら思った。







 あまりの傷心にどうしようもできず。自棄を起こしてショップに入った。
 何を思ったか、とうとう応援アパレルに手を出すことに。赤星でさえマフラータオルしか持っていないのに。

 「宏之がいい」と、41番を見る。俊介の31番に目が行く。サブローはない。
 あれば3番で間違いなかったけれど、ないものはしかたなく。41番は女子率高く、31番も登板日以外は着られないかなあ、と思えばやっぱり野手陣の方が、と腕を組む。



 熟考の上、9番を購入。触った感じがオートバイに良さそうだと思った。ジャケットの下に。暑い時期に最適な素材感。まあ、見たまんま『福浦ファン』だけど、全然問題なく着て出かけそうな自分にnice!

モデルかえちゃん


 マリンスタジアムに。出かける日が待ち遠しくなる。こんな負け方の夜の後でも。





*****






 お世話になっている放蕩息子さんと、マリンスタジアムでお会いしました。
 試合半ばからご一緒させていただいたのだけれど、始終バタバタとしてしまい、申し訳ないことに…。今度はじっくりゆっくりご一緒させていただきたく~。
 いろいろとお話を伺って、短いながらもとても楽しい時間でした。ありがとうございます♪

 こんなですけど。
 またどうぞよろしくお願いいたしますッ!!


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コメント 4

観戦乙でした。
帰路が微妙につらかったですよ、あの負け方では。
それでいて昨日の今日でスコ封印&禁断の薮田イニングまたぎで勝っちゃうんだからわからんよねぇ。

お世話になってると書かれちゃうとニガワラですが、
あらためてよろしくおねがいしますであります。

あ、来週観戦予定の鷹戦も、コバヒロ先発みたいだわ。
今度は勝ってくれるでしょう!!
by (2007-09-13 11:06) 

試合は、残念でしたね。
こんな時もありますからね^^;
ウyニフォーム、かえちゃんが着てるんだ^^
かわええ~!
黒ラブちゃんに黒い服はよく似合いますね。
by (2007-09-13 11:15) 

里崎 知宏

あの起用にはビックリしました。同じ3ランを打たれるなら、ヒロユキ続投で打たれたほうがまだ、いや何倍も救われたって思います。

昨日はボビーもついに?薮田で締めましたね。

これでコバマサの負け数が6。せめて半分でも成功していたら・・・

もうコバマサはクローザーには使えないと思ってます。
by 里崎 知宏 (2007-09-13 14:41) 

柊なお

 アホライダーさんッ!!
 nice!ありがとうございますううううvv
 野球、どーですか~。こんな苦い夜になることもありますけど…。
 打てなくて、イラッとすることも多いですけど(汗)
 なかなか楽しいものです。やっぱりライヴはよい♪
 あ、マリンスタジアムは美味しいものがたくさんありますわ~(おほほー)

 放蕩息子さん♪
 おつかれさまでございました(ペコリ)
 ちょっとした買い物をして席に座り、いただきまーす、で割り箸を割り。
 モグモグ食べながら、「あら、もう8回裏じゃないの。食べ終わる前に試合が終わっちゃうんじゃないの!? だったらちょっと申し訳ないけど、ワタクシの代わりに宏之の写真撮っててね」とか言ってるぐらいで。

 本当にもう一直線に。“お立ち台の宏之”しか考えてませんでした。

 結果論ですが。
 本日13日の敗戦で、やっぱりこの試合を落とした大きさがよみがえります。
 昨日も。かなり苦しかったです。薮田のキツそうな表情。それでも彼の中には『絶対に!!』っていう強い気持ちがあった。

 2点差は抑えなくちゃいけない点差ですよね。それが仕事なんだもの。

 コールされるたびに。うんざりのためいきと、今日こそは、今日からこそは、の思いがありました。ボビーもきっと。そういう気持ちで送り出しているんだと。

 ベンチの凍りついた空気が、これからの彼らを冷たくしてしまわないように、と願うばかりです。

 来週のホークス戦。力いっぱい宏之コールを送りますわッ

 そして。
 こちらこそ。今後ともどうぞよろしくお願いいたしますううううう~♪

 シンナツさ~んッ
 しくしくしくしく……しつこく思い返しては、ガックリきている今日この頃。
 宏之がカッコいいと思えば思うほど。
 お立ち台を見たかったああああああッ(心の叫び)

 ワタクシ、以前は別に全然。宏之のこと、カッコいいとか思ってなかったのです。スタイルも何気に福浦の方がいいし(ラヴ)
 でも今季はとにかく内容がいい。そしてやっぱり背中がカッコいいのです。
 イイ男もイイ女も。美しい背中をしていますわvv

 かえちゃんのTシャツ姿は、かなりかわういのですが、実は同じぐらいオモシロなので、思わず笑ってしまうと、怒ってすぐに脱ぎたがります(笑)
 でも、「わあ、かわいい~。かえちゃん、超かわいいッ」と、褒めてあげると、嬉しくなるのか、ふふふ、な感じで平気なのです。そこがまたオモシロです♪

 里崎さんッ!
 完投できたと思うのだけど…ね。
 8回の1点がなければ。たぶん我慢してくれた……かな<ボビー

 本当に。この日の宏之は美しかったのね。
 ワタクシ、ロッテはわりとチームとして好きだから、お気に入りの選手はいても、「好きな選手は?」って聞かれると即答できなかったりするの。
 阪神なら「赤星!」って、すぐ言えるんだけど。

 冷静に見て、今季の宏之はシーズン通して、相当カッコいいんだよね。
 で、その相当カッコいい、がこの日は最高カッコよかったの。

 テレビでは何度か。見せられたけど。
 俊介と宏之が多いんだよねえ。連れが言うには成ちゃんも。
 不思議と直行、少ない気が(笑)

 こんな試合あるんだ、って。目の前で見せられて呆然としたよ。

 昨日、8回裏の攻撃中に、安彦キャッチボール始めて。
 「ああ、今日はもう。マサヒデじゃないんだ」って。
 あれが答えだと思ってます。
by 柊なお (2007-09-13 23:04) 

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