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『さあ、いこーか』 [FAVORITE THINGS]

 好きなものが多い。
 基本的に、1度好きになったら“嫌い”にまでなることはない。少しずつ増えていきながら、愛が分散しつつ、蓄積されていく。
 増えていく対象に、ほんのりと薄れてしまうときもあるけれど、自分の中からなくなることはない。火種は常にあり、ほんの少しのきっかけで再燃する。

 マンガをひたすら読みたい時期があり、活字しか受け付けない時もある。生モノにユメウツツの時もあれば、憧れが紙の上にしか現れないこともある。
 どあほうでも、ヘンタイでも。そうなのだからしかたない。スッキリキッパリ、そういう自分を認めているし、連れにも宣言する。友人にも言う。―「今はダレソレに夢中です」




 * この先はキケンかもしれません。引き返すなら今です。
 ** ヘンタイのイキっぷりに、たぶんにひかれると思われます。
 *** さらに長いし。ヲタの戯言、タダレタ妄想含み(?)
 ** そんなでも“ダイジョーブ!”なら、ぜひ読んでくださいまし。
 * 愛は熱いモノ(?!) 寒い夜に温かな想いを―(カッコつけすぎ)






 『スラムダンク』
 言わずとしれた高校バスケットボール漫画。連載終了後も読まれ続け、2004年にコミックスの国内発行部数が1億冊を超えた。それを記念して作者井上雄彦氏は、全国紙5紙と東京新聞を加えた6紙の朝刊に、一面広告でイラストを掲載(6紙それぞれに湘北高校メンバーを描いたため、全紙買い集めるファンやオークションへの出品なども見られた)。
 さらに同年12月には、統合され、使われなくなった神奈川県立三崎高校の校舎を利用して、「スラムダンク1億冊ありがとう―ファイナル」を開催。3日間で約5000人の観客を集めた。このイベントは、井上氏のサイト(INOUE TAKEHIKO ON THE WEB)でのみ告知された。
 愛にあふれてはいたけれど、そこまで熱狂的にタケヒコを追いかけていなかった私は、当然のごとく全く知らずにノンキにしており、後になって悔しい思いをしたが、いろいろと思い考えて、“終わり”にしなくてよかったのかもしれない、と負け惜しみのように思ってみたりしている。

 このイベントの様子は、上記井上氏サイト内ページhttp://www.itplanning.co.jp/slamdunk/で閲覧することができる(動画のみ)。また、雑誌SWITCH(2005年2月号)に井上氏のインタビューとともに、『スラムダンク、あれから10日後――』というタイトルで、三崎高校の教室の黒板に描かれた、彼らの“物語のつづき”を見ることができる。






 変わらない彼らの姿。目指す場所、想い。流れている時間はまだ。彼らの上では短くて。自分の上に流れた時間とのギャップは大きいような、それでも一瞬で近くにいける気持ちに、少し驚いたりする。ああ、まだ彼らは終わっていないんだな、なんて。勝手な思いをふくらませてしまった。
 “そのあと”を知りたくて、たまらなくて。たくさん考えて、夢を見たりする。探しだす宝島。山と積まれた物語の中に、彼らのそれぞれの“つづき”が綴られている。嬉しくて、幸せで、その中にドップリと浸る。妄想の果てだろうが、何だろうが、キラキラのお話たちにツミはない。






 連載が始まった当時、私は週刊少年ジャンプを読んでいた。赤いリーゼントの花道を見て「なんだこれ!?」と思い、黒髪の流川くんを見て「ふ~ん」と、わかったようなタメイキをつき、肝心のバスケが始まる前に、離れていってしまった。すでに当時、私は“少年”ではなかったし、いや、もちろん最初から“少年”ではないのだけれど、違った作品の方に流れつつあったのだ。
 それでも弟がジャンプを買って帰ってくれば、彼の部屋で読ませてもらっていた。近くにはいた。それは事実だ。だけど夢中にはほど遠かった。どうしてなのかわからない。

 20代の半ばを過ぎて、私はようやく『スラムダンク』のすべてに出会った。コミックスを全巻借りて、思うさま堪能した。連載中にはどうしても1週間という待ち時間を経なければならなかったジレンマが、この贅沢な空間には存在しない。何もせず、ただひたすら、彼らと時間を過ごした。
 当たり前のように、私は彼らに夢中になり、若かりし頃、なぜか通り過ぎてしまった彼らの横に、へばりつくように戻っていった。それからはただ一途だ。ブリンカーをつけたサラブレッドのように、ほかには何も見えず、まっすぐに桜木花道に夢中になった。

 前髪をツンツンと立たせた、優しい顔をした男は、そのすぐ後に私を混乱させ、気がついたときにはもう遅く、戻ってこられないほどに彼を愛してしまっていた。気持ちワルイ話だけれど、今でもやはり、彼をとてもとても好きだ。読むたびにたまらない気持ちになる。
 仙道 彰―名前も最高にステキなのだ。一時、私の携帯電話のアドレスは彼の名と背番号で構成されていた。


 

 花道は見ていると嬉しくなる存在だ。安西先生が思わず感じてしまった気持ちにシンクロする。「どんどんよくなる君のプレイを、ずっと見ていたかったからだ」
 基礎練習に明け暮れた花道。シュート練習は楽しく、リバウンダーとして開花する。ほかのメンバーが遠征に出ている間、安西先生とジャンプシュートの特訓。恵まれた体格、脚力、スタミナ。
 「ヤマオーは俺が倒す!! by 天才・桜木」と宣言し、「おめーらバスケかぶれの常識は、俺には通用しねえ。シロートだからよ」と言い放つ。

 「リバウンドを制するものがゲームを制す」と、赤木は花道に話す。サッカーでも、決められなかったシュートの、次の一手を取れるか取れないか、で世界はまるで違ったものになる。
 ぼんやりとでも、バスケットの試合を見ていればすぐにわかる。ポイントが伸び悩むチームは、リバウンドが取れていない。相手チームのディフェンスが良く、ペイントゾーンに入って行けない状態で、ショットクロックは進み続け、苦し紛れにシュートを放つ。インサイドには誰もおらず、リングに当たって跳ね返ったボールを相手チームに取られてしまう。
 攻撃と守備と、別のプレイヤーが出てくるアメリカンフットボールとは違い、同じ選手が同じコート内を走り回るのだから、オフェンスとディフェンスは当然同じ波をたゆたうことになる。いいリズムが、いい波を。堅い動きは、ぎこちないリズムを生んでしまう。

 山王のディフェンスに苦しみ、得点できない湘北。オフェンス・リバウンドを取れれば、と花道に説く安西先生。「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」
 強い相手と当たり、その力を体が瞬時に吸収して、彼の体内で花道の力となって発揮される。もともと身体能力はケタ違いだったのだろうけれど、それがどんどん開花するのを見ているのは、本当にドキドキする幸せの瞬間だ。






 

 あのリハビリは、いつ終わるんだろう。そして、花道はどんなふうにコートに帰ってくるんだろう。そのとき流川くんはどんな顔をするんだろう…。
 ウインターカップには間に合わないのかもしれない。間に合ったとして湘北は。仙道彰のチームとなる陵南に再び勝つことができるか、全国2位の海南大付属に悲願の初勝利を上げることができるか、早々に冬に目標を定め直した藤真くんの翔陽を破ることができるか―。

 考え出すと止まらなくなる。楽しくてしかたない反面、それを知ることはたぶんもう絶対にないんだと淋しくなる。埋めようと思ってしまう。その空白を、真っ白なページにさまざまな文字を並べて、彼らの続きを、自由に描きだす。


 



 

 桜木花道をこよなく愛し、仙道彰に腰砕けになった私が、『結婚したいオトコ』に選んだのは翔陽のセンター・花形透だけれど、少し前からどうしても気になってしかたない存在が、名前だけは毎日、甘くささやいている男、流川楓。
 好みも変わるものなんだねえ、と自分のことなのに、ヒトゴトのように思う。ヘンな感じだ。以前は、カッコいいけど、ほかの女の子にキャーキャー言われてればいいじゃん、と振り返る回数は少なかった。そう、松井ちゃんみたいに。

 私はメガネ男子フェチだ。それがスベテ、とは言わないけれど、だいぶポイントが高いことはもう間違いない。好きになるキャラクターの多くがメガネ男子なのだから、そりゃあもうどーしよーもなく。
 ふだんから掛けている男子は、最初から好みの“ストライクゾーン”だ。だがしかし。ふだんは掛けていないけれど、機会限定で掛ける男子がいるじゃないか。それが似合っていたりすると、もともとのポイントが低いぶん、上がり幅がガツーンと出てしまう。“グッと来る度合い”が、ものすごく大きい。心臓をワシヅカミされた気分になる。

Inoue Takehiko illustrations

Inoue Takehiko illustrations

  • 作者: Inoue Takehiko
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: コミック

 『Inoue Takehiko illustrations』の中に、海南大付属の牧さんが授業を受けているらしいイラストがある。彼のメガネ姿はたぶんここでしか見られない。


 



 だから花形は最初からツボなのだ。こりゃあもうしかたない。
 『ハチミツとクローバー』なら真山だ。当たり前じゃないか。マンガ、未だ読んでいないため全くもって動いている彼を知らないまま、野宮にひとめぼれしたのは言うまでもない。いや、全然マジで。



 はッ
 メガネ男子に踊らされて、流川くんがスッカリ…(結構、こういう扱い)
 愛しのハニー・楓の名づけ親。漢字の名前で、男の子でも女の子でも大丈夫な名前がいいなと、うっすら思っていて。植物の名前がいいな、と夢見るように考えていた。
 『スラムダンク』の物語の中で、流川くんが名前で呼ばれることはない。彼が自分で名乗ったそのときが唯一、発音された“るかわ・かえで”だったと思う。それでもアタマの片隅に、ひっそりと息づくように残っていた名前。私にとって一生モノの本当に大切な名前になった。

 気になりだしたら、好きにならずにいられなかった。
 冒頭の「ダレソレに夢中です」の中身は、現在圧倒的トップで流川くんだ。
 だけど、晴子ちゃんのように想うより、花道のように思う方がいいなあ、と感じる。
 ケンカして、殴り合いもして、言いたいことぶつけて、追いついて追い越して、絶対に勝ちたくて、大嫌いだ、と言いながら、彼のプレイに目を奪われて、日本一を目指す関係は、同性で、同じコートの中にいなければ生み出されないものだと思うから。







 夢中になって、恋焦がれながら。
 それでも背中は仙道彰に預けている。
 この心地良さ。戻れる場所、温かな場所。

 やめられない。誰に何と思われようと。
 いいのだ、これで。
 愛のスベテが楓にそそがれるように、必要で自然なことなのだから。












 『SLAM DUNK 10DAYS AFTER
 スラムダンク1億冊感謝記念ファイナルイベントDVD
 買ってしまいそうなイキオイ…でも

 見ないかもしれないなあ
 なんとなくまだ
 ソノトキ、じゃない気がする(ヘンだね)


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コメント 2

pitts

ふふふ、熱いですなー、濃いですなー、深いですなー(^^)
漫画じゃないし同性だけど・・・ワタクシの場合「鬼平犯科帳」の主人公、長谷川平蔵のことなら何時間でも熱く語れますなー♪
by pitts (2007-01-13 21:58) 

柊なお

 pittsさ~ん
 熱すぎよねえええ。でもやっぱり「スラムダンク」、ちょっと別格なのねん。手放せないもん。いつになっても好きだろうなあ、と。
 ああ、本当に。桜木花道の母になりたいッ(壊れすぎた妄想の果て)

 前の会社に、やっぱり“鬼平”フリークの子がいた。大好きって言ってた。
 ううむ…そんなにも男心に訴えるものがッ!? 時代物、ほとんど読まないの。歴史物も。男子は好きだよねえ。うちの弟さんも、「信長の野望」とかめちゃくちゃやってたし、大好きだったようだよ。「三国志」は本があった。

 読んでみようかなあ。古本屋さんが発達して、本はすごく恵まれてきたよね。ネットでも買えるし。

 ということで。
 熱く語りましょうよ<ガンダム(そっちかよッ)
by 柊なお (2007-01-14 22:51) 

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