ポルトガル対オランダ [FOOTBALL]
わかっていたし、覚悟もしていた。相手がポルトガルでよかった、って思ってる。
ここ最近ずっと。金曜、土曜の夜はほとんど徹夜で、平日の夜も3試合中2試合は観てた。
ユーロ2000のときは、観終わってすぐレポを書いてホームページを更新してて、そのときはまだblogや便利ツールもなかったから、テンプレート作っておいて、テキスト入れるだけにしていたけれど、『日本一早いレポだなー』なんて悦に入っていた。その後、モード熟睡に入ることは言うまでもないです。
前回大会はリアルタイム、全然問題なかったからね。夕方からのゲームも、会社で観られたわけだし。幸せな職場だったなァ…スポーツ新聞系サイト。最高だった(遠い目)
2年前のユーロ・ポルトガル。『オランダ・シフト』を敷いての万全の態勢。それでもあの最後の試合になった日。仕事に行った。
ガッカリはしていたけど、納得もしていた。ポルトガルはとても美しくて、私を幸せにするサッカーを見せてくれた。オランダは頑張っていたけれど、ポルトガルの美しさに対抗できなかった。私に世界を見せてくれた子たちのいるオランダ。最後のビッグタイトルだった。次はなかった。特別な存在だった。オラーニエはいつも、私にとって最高に特別なのだけど。その中でも。
それでも納得できて。『いい試合だった』と会社に行けた。
自分の中できちんと、飲み込めていると思っていた。
夜明けのサッカーは、夢の中の出来事。覚めれば違う現実―?
新聞社だから。通信社からの速報が入る。
ピー、という音の後に、伝えられるニュース。
『ポルトガルで行われているサッカー、欧州選手権。敗れたオランダの…』
現実を、目の前に突きつけられた気がした。終わったんだ、と本当に思った。
わかっていたつもりでも。納得したつもりでも。
心は全然わかっていなかった。苦しかった。
今月に入ってから、いろいろなことがあって。少しおかしくなりかけていた。支えてくれていたのはサッカーだった。毎日、夜になるとサッカーがある。こんなに嬉しいことはない。追われるように観る試合でも、私にはエネルギーだった。疲れていても、眠たくても、観ずにいられない。
おかしい人だと笑われようと、引かれようと、気味悪がられようと。もう戻れない。サッカーのない生活。考えられない。枯渇して、あっという間に死んでしまいそうだ。
ドイツの地力を見せつけられ、アルゼンチンの強さに感激した。コートジヴォワールの勝利が嬉しくて泣いた。オランダの必死さがかわいくて、スペインの美しさにもっていかれた。
日本の敗戦を苦く思った。言いたいことを誤解なく伝えたくて、うまく表現できなくて、書き出しの一文が決まらなくて、やっと始まった、と思ってもやっぱりダメで、未だに“下書き”に入りっぱなしだ。
そうなんだ。まだ終わっていない。アルゼンチンもブラジルも。そしてスペインもいる。また嬉しくなる、ドキドキするサッカーを見せてくれる。
大丈夫、オランダはきっと。2年後のユーロで。そのときはもっと。強くなった彼らに会える。楽しみにしていよう。この経験は絶対に糧になる。激戦のヨーロッパで、本大会に出られるだけでも大変なのだから。グループリーグを突破して、それも“死のグループ”と呼ばれた組で、負けなかったのだから。
試合が終わって。
4人の退場者が出た、クシャクシャのゲームを観終わって。
『うん。しかたがないよ』
うなずいて、仕事に行った。
少しずつ。時間が過ぎて。本当なら、苦しいことは、時間の経過とともに薄れていくはずなのに。
澱のように、底に沈んでいく。たまっていく。重たくなる。振り払えない濃霧のように。
テレビを観てもつまらない。笑えない。感じない。
録りためたゲームを観る気にならない。サッカーが初めて、支えにならない夜がきた。
何もする気にならない、本当は。blogも、書ける状態じゃないんだ。
だけど書かなくちゃ。いっぱい書きたいことがある。待たせてる状態だ。
motoGPも、ワールドCも。オートバイも。この間読んだ本も。ディープインパクトも。
書いて整理して。ヒドいアリサマを自覚しないと。
やりたいことを、少しずつでも続けていけるように。
そうしないとこの先。踏ん張りがきかなくなってしまう。
時間もお金も足りてないなら。まずは気持ちだけでも。
まっすぐ前向いていなくちゃ。
行きたい方に顔を向ける。オートバイは進んでいく。
乗れるんだから。きっと大丈夫!
ポルトガルの続いていく先に―
輝く未来を
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