プロ野球を考える [BASEBALL]
久しぶりに。少し小難しそうな(←あくまでも“小難しそう”なだけ)タイトルをつけてみた。
大阪近鉄とオリックスの合併話が浮上し、ストライキにまで発展した2004年。野球界から目が離せなかった。合併は阻止できず、楽天ゴールデンイーグルスという新しい球団が加わることになる。プロ野球機構や選手会だけでなく、ファンの間からもさまざまなアイデアが出された。翌2005年から、セパ交流戦が始まり、パリーグではすでに導入されていたプレーオフ制度を、セリーグでも行うプランが立てられている。
さて。その『ポストシーズン構想』だ。
何やらセリーグでは、そのように呼ぶらしい。パリーグの『プレーオフ』との違いは、シーズン1位チームが、リーグ優勝チームである、ということ(パリーグは、プレーオフ勝利チームが、リーグ優勝チームとなる)である。
今月上旬、セパ両リーグからポストシーズンゲームについての提案がそれぞれあったのだが、どうにもしっくり折り合わず、暗礁に乗り上げている、という具合。そしてここへきて、セリーグ側から交流戦試合数減少案、が出てきたというのだから、話がさらにややこしくなってきた。
交流戦
2005年シーズンから、ゴールデンウイーク明けの5月第2週から約1カ月間、1リーグ12チームとして、それぞれホーム&アウェイで3試合ずつを戦うことになった。第1回覇者は千葉ロッテマリーンズだ。交流戦優勝、として賞金が出たが、“シーズン中”であることに変わりなく、トータル成績に加味され、ここで失速した中日はセリーグ連覇を逃すことになる。
全チーム、月曜日を予備日とし、3戦ずつの6連戦を戦うため、雨で中止となった場合、9連戦も考えられる。日程調整は難しいだろうが、夏休み期間と分散するなど、改案の余地はまだあり、これからも続けてもらえたら、と思っている。
非常に個人的な観点から言うと、交流戦は嬉しいプランだ。
私は長らく阪神ファンで、神宮球場レフトスタンドが定位置だった。甲子園球場をホームとする阪神タイガースの試合を観戦するためには、関東への遠征時をおいてなく、東京ドーム(後楽園)での巨人戦チケットは入手困難であること、横浜スタジアムは多少の距離があることを考えると、必然、神宮球場でしか見られないことになる。
それが、交流戦、という機会を得ると、千葉マリンスタジアムでのマリーンズとの試合を観戦できるようになる。距離はあるが、インボイスでの西武戦も視野に入る。何より巨人戦と違って、対阪神でもチケットの入手はさほどの難問ではない。
昨シーズン、私はロッテファンに連れられ、千葉マリンスタジアムに足繁く通った。パリーグは、ほぼ全カードを観戦していると思う。日ハム主催の東京ドームにも足を運んだ。交流戦は、阪神戦のほか、横浜戦も見ている。
阪神、のゲームより、ずっとずっとロッテの試合を見ている。ケーブルテレビでは連日、ほとんど全試合を生中継しているが、優先順位としてロッテは最上位にあった。なぜか。ロッテの試合は面白いからだ。
野球を見るようになって長い。熱い阪神ファンだった時代があり、レフトスタンドでハッピとメガホンを持って、応援団の人と一緒になってワイワイやっていた。試合内容がどうの、ひとつひとつのプレイがどうの、ではなく、ただひたすら阪神が勝てばよかった。
サッカーを見るようになり、自分自身の環境も変わり、だんだんと球場から足が遠のいた。夜の外出も増え、家でテレビを見ることも少なくなった。野球から離れだしていた。暗黒時代に入るタイガースを、冷めた目で見ていた。ああ、今日も負けたんだな、と翌日の朝刊で知るだけになった。
それでも“野球”そのものからは、なぜか近しいところにいた。義父は高校野球の監督をしていた人で、後には県高野連会長になった。義母の運営する学習塾に通う子どもたちの多くは、なぜか野球部だった。仲良くなるうち、彼らの試合をわざわざクルマを運転して見に行くようにもなった。そして元ダンナは高校球児だった。
義父の仕事の関係で、マリーンズの試合を見に行くこともあった。千葉ロッテが、とても地味な時代の話だ。
転機は転職とともにやってきた。
スポーツ新聞のウェブサイト運営に携わるようになる。毎日必ずテレビがついている。夕方からは野球の時間だ。見る時間が飛躍的に増えた。知らなかった選手を知るようになった。もともと好きだったスポーツだ。下地は十分にある。阪神は強くなりかけていた。
相方は高校野球が大好きで、春と夏は毎日大騒ぎだった。周りには巨人ファンをはじめとして、ヤクルトファン、西武ファン、横浜ファンと野球の話題に困ることは全くなかった。
いろいろな人がいて、いろいろな見方をしていた。話をするうちに、どんどん見方も変わっていった。面白い野球、というものを求めるようになっていった。阪神ファン、というのは変わらなくとも、その試合の内容、プレイの質を考えるようになった。違う、と思えば阪神でも萎えた。
その傾向は今年になって、より強くなっている。凡ミスとも思えるプレイを見せられると、急激にしぼむ。その結果、得点できても両手を挙げて喜ぶということはなくなった。歓声ではなく、ため息がこぼれた。
昨年のロッテは、見ていて楽しかった。満足できた。もっと見ていたいと思った。だから何度も足を球場に運んだ。身近に見るうちに、どんどん好きになっていった。私にとってロッテはたどりつく必然だったように思う。
そして面白い試合を、ワクワクするゲームを見せてくれるだけじゃなく、愛してくれるんだ、と感じた。気持ちを返してくれる、と思えた。その気持ちはファンにとって、とても大きなものだと思う。
応援する、球場に行く、好きでなければなかなか続けられないことだ。そのことを選手が汲んでくれている。ヒットを打つ、1塁に立つ。ライトスタンドに手を挙げる。それだけのことでも、すごく嬉しいのだ。
マリーンズのファンになり、野球の面白さを再認識した私にとって、交流戦の開催は今まで生で見たことのなかったチームのゲームを見られる機会が増えて、素直にとても嬉しかった。
また、パリーグの野球は、総じて個性的で面白く、妙な突出感もあったりして、野球が好きなら非常に興味深いと思う。セリーグしか見ない、という人の固定観念を突き崩し、野球というスポーツそのものの面白さを改めて感じてもらう、大きなチャンスだと思う。
パリーグは、まだまだマイノリティだ。多くの人に愛されるには、まず面白い野球をするしかない。そして結果として勝つことが最重要だ。選手の個人的事情を考慮している余裕はほとんどない。ネームヴァリューではなく、過去の実績ではなく、現在の調子がまず優先されるべきで、打てない選手、打たれる投手は必要ない。シビアだが、現実だ。
SHINJOや清原がスタメンで出ているのを見るのは悪いことではないが、ここ一番!というところで華々しく登場したりする、調子上昇中の彼らを見る方が楽しくはないか? 打てない今岡を見続けることは、はっきりいって苦痛だった。
競争が生まれ、磨かれる。“人気のセ、実力のパ”なんていう言葉も、ここから来ているのではないか、と思う。力がなければ、始まらないのだ。
パリーグの野球は面白い。ロッテファンだから、ということも当然あるけれど、もっとたくさんの人に見てもらいたい、と思う。野球が好きで、特に“ごひいき”チームがなければ、これから見るのなら、ぜひともパリーグの試合を見てほしいと思う。
ケーブルテレビでは、連日ほぼ全試合中継されているが、交流戦期間なら地上波でも放送がある。たまたまつけた野球中継でも、そのまま10分ほど見てもらえたら。
そんな交流戦の試合数を減らすプランなんて―
現在1チームあたり36試合(6チーム×6試合:ホーム&アウェイ3試合ずつ)を30試合にするという。1試合ずつ減らし、6チーム×5試合の計30試合らしいのだが、そんな奇数をどうやって割り振るのか。入場者収入の見込める対巨人、阪神などのゲームを削除したい球団はないだろうし、はっきりしたことや、その際の影響の大きさなど詳細考察をしないまま、“とりあえず言っとくか”程度の案を出されたところで、混乱を招くだけだ。
交流戦はパリーグとの試合となるにもかかわらず、今回の試合数削減案はパリーグに通達されることはなく、突然提出され、当然のことながら、パリーグ側としては戸惑い、不快感もあり、拒否決定は確実だろう。
だいたい『ポストシーズン構想』にしても、別にパリーグの『プレーオフ』と違えることはないのではないか、と思う。“シーズン1位≠リーグ優勝”に違和感がある、ということのようだが、結果として“ポストシーズン優勝チームが、日本シリーズ進出”というのなら、それがすべてのような気がしてならない。
パリーグのプレーオフも同じことがいえる。ソフトバンクは2年連続パリーグ1位となったが、いずれも2位チームの西武、ロッテに敗れ日本シリーズ進出は叶わなかった。短期決戦の難しさ。1位チームには“アドバンテージ”として、2・3位チームの行う第1ラウンドへの参加は免除されているが、妙な間が空いてしまうのは否めず、果たして本当にそれが“アドバンテージ”として有利に働くものなのかは甚だ疑問(昨年の阪神は、リーグ優勝から日本シリーズまでの間をもてあまし、ロッテに4連敗を喫した:もちろんそれをその“間”が理由のすべて、だとは言わないが)だ。
パリーグの『プレーオフ制度』では、プレーオフ優勝チーム=リーグ優勝となるため、シーズンを制したソフトバンクには、1つの冠もその頭上に戴くことはなかった。
しかし、名ばかりの冠を得たところで、彼らの鬱憤は晴れるのだろうか。それよりももっと、選手もファンもきちんと納得のできる、フェアな形での『ポストシーズン構想』を考え直した方がよくはないか。
もういっそ日本シリーズ、やめちゃえばいいんじゃないか、とか思ったり。
セパ両リーグの、いわゆる“Aクラス”3チームずつで、トーナメントか総当たりか。ホーム&アウェイでもいいかもしれない。短期決戦だし、相手は違うリーグだし。ポストシーズンのゲームにはなるけれど、ひと息に日本一を決めるわけだから、シーズン成績はそのまま生かせる。
サッカーのビッグタイトル方式にすると、決勝トーナメントの勝敗で優勝決定戦が同リーグ同士になる可能性も出てくる。純然たるリーグ対戦である日本シリーズと比較すると、そのあたりに甘さが出てきてしまうのだが、春の開幕もセパで足並みをそろえ、シーズンの締めくくりも同時に迎える、というプランも考えていい時期にきたと思うのだ。
人気も実力も…パリーグが上、という未来は、もう遠い先の話ではないと思う。
長々と…。何日がかりなんだよ!?っていう時間のかけっぷりで書いてしまったのだけど。
言いたいのは、野球は楽しいです、ってことだけなんだよねぇ。
もっと見てほしいな、と。特にパリーグの野球は、何気にとても面白い。
これからワールドカップTMも始まるけれど、22時までは野球をどうぞ♪
おかしな生活が、ほぼ約1カ月。頑張って観るぞ! 野球もサッカーも!!!!
はい、この年になって野球の楽しさを再認識しました。
ことパ・リーグの、集客に対する球団の努力は見習うべきだと思いますよ。
ロッテも合併絡みで大きく変わったし。
去年は集客に熱心になったところにチームも強くなりましたからね。
おかげで監督以外にも目が集まるようになったし。
それからスト騒ぎで前面に出てしまった、瀬戸山球団代表の表情の変わりようったら・・・ねぇ。
ロッテ戦ばかり見てるけど、数こなすうちに相手のいいとこ悪いとこわかるのもまた楽しかったり。
オリックスの平野&阿部なんて最高の二遊間なのに、認知度低いしね。
先日初めて足を運んだヤフードームもすごかった。
エンターテイメントのレベルではロッテ以上ですね。
あれならリピーター=ホークスファンも定着するよなぁと。
3塁側でも周りがホークスファンだらけにもかかわらず、
黒ユニ着ての観戦だったから、やっぱり敵地だなぁと痛感しましたよ。
今年もまだまだ足を運ぶ事になりそうですね。
野球観戦、競馬と同じくらい楽しんでますから。
あ、長々とコメントしちゃってすんません・・・
by (2006-06-02 00:11)
こんにちは。
ヴァレの逆襲も忘れてませんか?
それにしても、G+のMotoGP放映時間がずれるのは、勘弁して欲しい(切実)
by HIRO (2006-06-02 11:18)
それほど熱狂的でもなく、テレビで中継を見るほどでもありませんが、千葉出身なので実は10年以上もの間、隠れ(?)マリーンズファンだったりします。
よもやこんな時代が来るとはねぇ(笑)
by pitts (2006-06-02 11:20)
放蕩息子さん、こんばんは~♪
野球、面白いですよねーッ!!! 好きじゃなきゃ、あの悪天候の中、じっと座って見たりしません(交流戦・対阪神・5回コールド)
『阪神勝ってよかったじゃん』とか憎まれ口を叩いたヤツもいましたが、1塁側に座るかぎり、ちゃんとロッテを応援します。勝ってほしかったなー、せっかくマリンだったし。花火が今までで一番綺麗に見られてよかった、ということで!
若かりし頃、12球団全部にお気に入りの選手がいました。でも、それはホントにただのミーハーな思いだけで、チームとして、プレイとして、試合として、という見方はできてなかったです。今思えばもったいなかったなー、なんて。
外野でガッツリ応援するのも楽しいと思うけど、それは引退しちゃった感があって、今はじっくり“野球の試合”を見ています。そうするといろんな物が見えてくる。どんどん面白くなって、さらに好きになりますね。
放蕩息子さんのおっしゃる通り、相手のいいところもわかってきて、それを見せてもらえると結構嬉しかったり。その上で勝ちたい、と思ったり。
交流戦に入ってロッテ調子上がってきて。東京D3タテ、震えましたね~。
次は神宮予定です。
ワクワクしますねッ たくさん楽しみましょうッ!!
HIROさん~、こんばんは★
ヴァレ、YAMAHA決定、よかったです~。これについては明日あたり(もう今日か…)と思ってます。相変わらず押されまくりです(ダメダメ)
地元イタリー、張り切ってプラクティス、2度ともトップタイム。いろいろあって、大きな決定の後でもあるし、予選から相当気合乗ったヴァレを見られると思ってます。意地でも上の方、来ると思います。ポールトゥウインも、狙ってくるかも!?
pittsさん、こんばんは~♪
全国大会の素敵レポ、堪能させていただきましたわ~。いいなー。
そしてまた! 遠くに旅立たれるご様子。素敵なツーリングになりますように!!
さてロッテ。
応援するよーに!! っていうかもう“隠れ”はナシですよーう。
しっかり強いし、ときどきすごい“M”な野球するけど、ピッチャー頑張ってるし、今年はマサヒデがいいし!!(←ここ大事)、本当にまた楽しみいっぱいです。
暗黒時代を知っているならなおさら、感慨深いものがあるのでは…!?
時間あったら、ぜひ!! 見てみてくださいね~♪
by 柊なお (2006-06-03 02:40)